2018年比較家族史学会第63回春季研究大会のご案内

【日 程】2018年6月16日(土)・17日(日)

【会 場】岡山大学教育学部401教室(〒700-8530 岡山市北区津島中3-1-1)

【参加費・申込み】1,500円、学生無料(学生証提示必要)、事前申込不要

【懇親会】会場:Jテラスカフェ(岡山大学構内、大会会場より徒歩10分)

会費:5,000円、事前申込必要(下記参照)

【プログラム】

6月16日(土)

9:20~9:30   会長挨拶  落合 恵美子(京都大学)

9:30~10:10 自由報告

司会 小池 誠(桃山学院大学)

9:30    ミルチャ・アントン(大阪市立大学大学院)

「初期ソビエト家族政策とコロンタイー1918年1月における母性保護用
の取り組みの検討」

10:10 Tsang Ka Yan(神戸大学大学院)

「香港における「全職パパ」の社会学的考察」

10:50~11:20 総会

11:20~17:10 シンポジウム「人口政策」

司会 廣島 清志(島根大学)

11:20 趣旨説明 小島 宏(早稲田大学)

11:30 小島 宏(早稲田大学)

「出生・家族政策の概念、理論、比較史」

12:10~13:00 お昼休

司会 小島 宏(早稲田大学)

13:00 高橋 美由紀(立正大学)

「近世東北の人口政策」

13:40 太田 素子(和光大学)

「近世西南の人口政策─子返しと捨子・その背景と対策―」

14:20 杉田 菜穂(大阪市立大学)

「戦前の人口政策」

15:00~15:10 休憩

司会 廣島 清志(島根大学)

15:10 高岡 裕之(関西学院大学)

「戦時人口政策」

15:50 豊田 真穂(早稲田大学)

「占領下の人口政策―優生保護法を中心に―」

16:30 田間 泰子(大阪府立大学)

「戦後本土の『人口政策』」

17:40~19:40 懇親会

 

6月17日(日)

司会 廣島 清志(島根大学)

9:20 澤田 佳世(沖縄国際大学)

「戦後沖縄の『人口政策』」

10:00 守泉 理恵(国立社会保障・人口問題研究所)

「近年における『人口政策』―少子化対策の展開と家族の変容―」

10:40 鈴木 透(国立社会保障・人口問題研究所)

「韓国・台湾の人口政策」

11:20 福島 都茂子(宮崎産業経営大学)

「フランスの人口政策―1930年代に本格化した家族政策」

12:00~13:00 お昼休み

司会 小島 宏(早稲田大学)

13:00 小浜 正子(日本大学)

「中国の人口政策」

13:40 廣島 清志(島根大学)

「戦後日本の人口政策の変遷」

14:00~16:00 シンポジウム「人口政策」 質疑応答・全体討論

司会 小島 宏・廣島 清志

 

【シンポジウムの趣旨】

「人口政策」は基本的に人口変動要因(出生、死亡、移動)ないしその近接要因(たとえば、結婚、健康、越境管理)に対して影響を与えて人口の基本属性(規模、構造、分布)に影響を与えようとする政策ないし政策的意図であるが、広義には基本属性の変動(たとえば、人口増減・少子高齢化)ないしその認識に対する対策も含む。その主体は原則的に政府(国際機関、外国政府、地方政府なども含む)であるが、政府の意を受けた企業、非政府機関、地域共同体などであることもある。家族に関連する人口政策としては出生を促進したり、抑制したりする出生政策が想起される場合が多いが、死亡や移動を抑制したり、促進したりする政策も含まれる。また、家族計画、母子保健、リプロダクティブヘルスのプログラムのように出生と健康(死亡の近接要因)にまたがるものもある。また、これらは家族政策、保健政策、ジェンダー政策の一部として実施されることも多いし、かつては優生政策とも関連して実施されていたこともある。政治的理由で「出生政策」ないし「人口政策」という言葉を避けたいような場合、出生に影響を与えることを目的とする人口政策は「家族政策」(家族福祉政策)と呼ばれることが少なからずあるので、本シンポジウムでは出生・家族政策を中心に論じることにする。

日本において人口政策は古代から行われてきたようであるが、江戸時代、戦中、終戦直後には明示的に実施された。しかし、その実施が非政府機関、企業、地域共同体などによって担われたり、実施に先立ってそれらが政府の意を受けて実施したりすることがあった。本シンポジウムでは日本を中心として東アジア(韓国・台湾、中国)、西欧(フランス)における、家族やジェンダーに関連する広義の人口政策の歴史的変遷を様々な角度から論じていただくことにしたい。具体的にはまず、小島報告で出生・家族政策の概念、理論、比較史について論じるが、比較史については特にイデオロギー的・宗教的背景に重点を置く。高橋報告では近世東北の人口政策について論じるが、特に出生増加対策について詳述する。太田報告では近世西南の人口政策について論じるが、特に子返し・捨子とその背景・対策について詳述する。杉田報告では戦前の人口政策について論じるが、人口論の形成、人口‐社会行政の成立について述べた後、優生‐優境主義のなかの家族政策について論じる。高岡報告では戦時人口政策について論じるが、厚生省・人口問題研究所の関与と「大東亜共栄圏」との関連を中心に述べる。豊田報告では占領下の人口政策について優生保護法を中心に論じる。田間報告では戦後本土の「人口政策」について量的調整から質的向上への変化を中心に論じる。澤田報告では戦後沖縄の「人口政策」について1950年代は二つの政府と優生保護法の立法・廃止、1960年代は「家族計画」・母子保健を中心に論じる。守泉報告では近年における「人口政策」について少子化対策の展開と家族の変容を中心に論じる。鈴木報告では韓国・台湾の人口政策について出生力転換と国際結婚を含む人口移動への対応を中心に論じる。福島報告ではフランスの人口政策、特に1930年代に本格化した家族政策を中心に論じる。小浜報告では中国の人口政策について「一人っ子政策」開始以前の状況から終息までの変化について論じる。廣嶋報告では「補論」として戦後日本の「人口政策」の変遷について論じる。                          (小島 宏)

 

【昼食】6月16日(土)・17日(日)両日とも弁当は用意できません。近隣には飲食店やコンビニもほとんどありませんので、恐縮ですが各自あらかじめ昼食をご持参ください。なお、シンポジウム報告者には弁当を用意させていただきます。

【宿泊】宿泊は特に斡旋しませんので、各自でのご手配をお願いいたします。

【託児サービス】特別な配慮はできませんので、ご了解ください。

【出欠はがき】同封のはがきにて5月31日(木)までにお知らせください。なお、返信はがきには必ず62円切手を貼って投函してください。

【問い合わせ先】岡山大学大学院教育学研究科

李璟媛研究室(leekw@okayama-u.ac.jp

【大会運営委員会】

李 璟媛(岡山大学・委員長)、小島 宏(早稲田大学・シンポジウム担当)、廣島 清志(島根大学・シンポジウム担当)、小池 誠(桃山学院大学)、牧田 勲(摂南大学)

【会場へのアクセス】